職人的生き方の時代

自分だけの生態学的ニッチで生きる

自分の外側に答えを求める時間を減らす

少し自分の中で変化が起きている気がする。自分の外側の現象に振り回されるだけの人間になりたいのか、それとも自分の内面に奥深く入っていき本当の自分とつながる人間になりたいのか。この問いに対して、少しずつ自分の内面にある感情、直感、意識などに重きを置き、本当の自分につながろうという気持ちが芽生えている。

片岡ジョージ『コロナは概念』(ヒカルランド、2021年)という漫画を読み終えた。そして、後半にある用語解説やコラムを読んで、単なる漫画ではなく、非常に深淵な哲学書であることを理解した。自分の内面に入っていくには一つのきっかけを作ってくれる書籍かもしれない。

片岡氏がいう。もし世界の平和を願うのならば、それよりも先に自身の心の平安が必要だとのこと。マスクや自粛の強要、ワクチン、監視社会などに対する怒りや、未来への不安、恐怖も全て自分の反応で拒否しようがなく、そこにあるから味わうほかないと。

そして、世界を変えるんだと力まなくても、自分が等身大で心地よくそこに存在していることが世界平和そのものではないだろうかという。手の届かないことや、どうしようもないことはあきらめて、できることをやったらいい。どんなに悪人とされる人も、この社会の中で影響し合って育ち、そのような人間が育つ土壌が社会にもあったのだと。

そのとおりだと思った。人類が長い歴史の中で培ってきたものが、今の現象として現れているだけなので、今の人類だけが、この社会を作っているわけではない。

自分自身が今の社会現象について、ある可能性に気づきが生じたのは2021年7月。フランスが衛生パスを導入したときである。それが自分にとってブチ切れたポイントであった。一方、漫画の校正や出版スケジュールから推察するに、片岡氏は、1年以上前からそのポイントを通過済みだったように思う。しっかりとネガティブを味わい、それでいてポジティブなポジションに踏みとどまり、風刺的でユニークな漫画を描き上げた。非常に良い作品だと思う。ご本人の中の葛藤はいかほどのものか想像はできないが、比較的楽しめる動画のリンクを貼っておく。

公演会・セミナー動画 (nomaskshop.com)

いかに冷静に泰然として生きていくのか、とても重要な時期なのかもしれない。自分の外側で起きる事象に対して影響されず、前向きに淡々と生活していくことがカギなのか。もしこれがゲームだとするなら、かなり自分の魂や波動、周波数を上げるには利用価値のあるゲームともいいうる。無理をせずに少しずつでもいいので、自分の外側に答えをみつけようと努力する時間は減らしたほうが良いのかもしれない。

最後に、興味深いたとえ話に接したので紹介する。飛行機に乗っていると目の前に酸素マスクが落ちてきた。酸素が薄くなり、あなたは他の人たちにマスクをつけてあげようと走り回るが、自分が失神してしまう。最初に自分のことを助けなかったので、他人を助けられなかった。だから、最初に自分が酸素マスクをつけるべきだった。これは利己主義ではなく論理的な行動である。自分を助ければ、他人を助けるエネルギーも出てくるのだから。