スペシャリストのすすめ

自分だけの生態学的ニッチで生きる

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

転職市場のリクルーターは人生の伴走者

人材紹介会社の活動は1990年代後半から徐々に活発になってきたと思われる。実際に登録すると、想定される転職後の年収が提示されるサービスがあったと記憶する。当然、人材紹介会社としては伝統的な日本企業にしがみつく優秀な人材に転職を促し、自分たちの…

「ダイバーシティ」の本当の価値はリスク管理

組織のダイバーシティを促進すると、製品開発やマーケティングなどによい影響を与え、企業のパフォーマンスが向上するという説や実証研究は多い。ダイバーシティを推進している企業の業績が良いのか、業績の良い企業がダイバーシティを推進しているのかは定…

1999年ルーマニアの年収は20万円

1999年、ルーマニアに留学しようとある団体の奨学金に申し込んだことがある。 「厳しい寒さが続いていますがご健勝のこととお慶び申し上げます。 さて、ご応募いただいた「2000年度日本人留学生奨学生」は30名の採用予定に対し544名と極めて高い競争率となり…

「人種差別」は世界共通のことと割り切る

最近は多くの外国人が日本に訪れ働くようになった。以前は3Kといわれる仕事が多かったが、近年は外資系企業の日本進出のため、いわゆるホワイトカラーの進出が目覚しい。また、留学生が非常に増えてきている。これは日本人学生が海外へ留学することが減って…

「科学」よりも「直感」に頼ることも

少しずつ新型コロナウイルスがアジア地域の人にとっては、極論するなら鼻かぜ程度ではないかということが主張されてきている。井上正康『本当はこわくない新型コロナウイルス』(方丈社、2020年)も、上久保氏らの免疫獲得説にフォローするように、日本は弱…

「善悪の判断」を放棄することの快適さ

髙島清『バラータ』(郁朋社、1999年)によると、ルーマニア大統領チャウシェスクの時代、「ルーマニア人のような優秀な民族は、数が多くなくてはならない」というのが大統領の口癖であったという。人口を増やすことについては、チャウシェスクの妻、副大統…

企業に対するアカデミック・アドバイザー

ありがたいことに、自著の『先端的D&O保険』(保険毎日新聞社、2019年)で、2020年の日本保険学会賞(著書の部)をいただいた。日本保険学会というのは250名弱の研究者と500名強のその他大学関係者以外の人が会員になっており、社会科学系でもかなり古い伝統…

「英語」vs.「専門性」のバランスをとる

著名なコンサルティング会社のマッキンゼー社による、企業経営者のダイバーシティが企業業績に与える影響について調査した論文がある。Vivian Hunt et al., Delivering through Diversity, (2017) によると、企業の役員の性別や民族に多様性があるほうが好業…

専門分野を理解するための語学学習

山崎正男『陸軍士官学校』(秋元書房、1990年)によると、陸軍士官学校時代に外国語の成績が良かったものは、将校になってから出世しているという。また、陸軍大学校の卒業時に成績優秀だった人は、海外留学の機会を得られた。たしかに、将校は日本の外に出…

「人間は必ず死ぬ」という前提の政策決定

著名な科学者が動画で学生に自粛を呼びかける。みなさんの賢い行動が人の命を守るという。皆さんの大好きなおじいさんやおばあさんを守るという。それは端的にいうと自粛しない若者は愚かであるというメッセージのようでもある。しかし、本当にそうであろう…

権威に寄り添うだけでは見えない事実

上久保靖彦氏らによる新型コロナウイルスの論文が、2020年5月3日に第1バージョンとして発表され、6月23日に第2バージョンが出されている。Yasuhiko Kamikubo, Toshio Hattori, and Atsushi Takahashi, Paradoxical dynamics of SRS-Co V-2 by herd immunity …

土着語を学ぶことで得られる深い楽しみ

日本人海外駐在員の語学力が一般的に高くないことは認識されている。秘書がいるし日本人スタッフもいるので現地スタッフとのコミュニケーションもそれほど必要ない。そもそも現地人の上司がいないので語学力は向上しようがない。まだ、日本の外資系企業で外…

英語は「世界語」の地位から降りるのか

多くの人にとって英語を学ぶ動機は経済的理由と直結しているかもしれない。英語の運用能力があれば選べる仕事の選択肢は増えるし、実際に高い年収を獲得できる傾向はある。また、日本企業に勤めていたとしても自分の会社が突然破綻しても、外資系企業への転…

経済的な豊かさと相関する英語力

英語の運用能力と収入は比例するのであろうか。相関はあるかもしれないが、ある一定のレベルになれば影響はなくなると断言できる。TOEICの900点と800点で年収の差が生じるとは思われない。それよりも問題は業務知識の厚みであり、英語の点数の差ではない。最…

「株」「不動産」「投資信託」あるいは「英語」

確実なリターンを得られる投資は何か。株や不動産、投資信託、金、商品先物取引、どれをとっても元本保証はされない投資である。その点、自己投資としての英語は比較的確実な投資といえる。とくに20代の人で300万円あれば、1年でもいいので海外留学するとよ…

英語という「弱み」が「強み」になるとき

ビジネスの世界においてパワーポイントで資料を作成することが増えている。通例は短い文章を箇条書きにしたり、図表を多用したりすることで読み手の理解を容易にする技術が使われる。そこで、プレゼン資料をパワーポイントで作る機会があれば、和英二か国語…

イスラームからビジネス法を学ぶ

一般的にはビジネスに関する法律を学ぼうとする人は、アメリカ法を学ぶことが多い。実際に戦後、わが国おける会社法や金融商品取引法などに、アメリカ法の要素が多く取り入れられた。当然、アメリカに占領されていたし、戦後はアメリカとの経済取引が多かっ…

英語学習から多言語学習へ

よく英語学習にCNNが良いのかBBCが良いのかという話があるが、社会人にはとくにBBCをお勧めする。アメリカ英語が良いかイギリス英語が良いかという視点からそのようにいうのではない。そもそも日本人にとってはアメリカ英語でもイギリス英語でもどちらでもよ…