スペシャリストのすすめ

自分だけの生態学的ニッチで生きる

2023-01-01から1年間の記事一覧

資本主義から降りるための「仮想コミュニティ経済」

クラウドファンディングは、「持続可能なファイナンス」と思いましたが、もしかしたら、間違いであることに気がつきました。オーナーも支援者も、負担にならない範囲で実行してみるという意味では、持続可能だと思ったのです。しかし、ちょっと違うかもしれ…

クラウドファンディングを実行する心理的負担

日本国内にある社会人大学院を、どのように活用していくか、メンバーで研究していくコミュニティをつくろうと考えています。仕事の質を上げる、キャリアアップする、人生を豊かにする、いろいろ目的は異なるでしょうが、参加者にとって新しい発見や驚きがあ…

ジョブ型雇用が日本に浸透しないある理由

ジョブ型雇用が日本社会で浸透しにくい状況が続いています。その理由が二つあると思います。その一つに、経営者がジョブ型雇用を理解していないことです。もう一つが、ジョブ型雇用の旗振り役であるはずの人事部が、ジョブ型人材ではないということがありま…

未知の通信技術「5G」は危険なのか

最近、変なめまいがしており、何が原因かと考えていました。そこで、いくつか想定できそなことのうちの一つが、新しく購入したiPhoneでした。今まで個人の携帯電話はガラケーで通してきましたので、よく持ちこたえたと思いますが、時代の流れに逆らえず買い…

大手経済紙を購読する価値はなくなった

大手経済紙の調査能力はいかほどのものでしょうか。大学生の頃、就職活動のために購読すべきであることがいわれました。よって、自分も当然購読していました。企業側の面接官も読んでいるし、話題になった時に対応できるようにということなのでしょう。 しか…

優生思想と同根の「Fランク大学」切り捨て論

ランキング参加中高等教育 あるSNSで、ボーダーフリー(以下「BF」)の大学不要論が主張されていました。Fランク大学ともいうようです。私は、少し違う考えもあるだろうと思い、BF大学も意味があって、現時点で存在しているのであり、税金の無駄だから潰せだ…

資本主義から降りるという選択肢

あらゆることのインセンティブが「お金」という世界から降りることは可能でしょうか。もしそれが実現できれば、かなり快適な人生が送れます。日々の生活には最低限のお金が必要です。それすらも欲しない人生というのは、逆につまらないかもしれません。 まず…

高等教育への投資が国力の源泉に(2)

ランキング参加中高等教育 矢野眞和『大学の条件:大衆化と市場化の経済分析』(東京大学出版会、2015年)の経済分析によっても高等教育への投資は、本来であれば道路、交通、港湾などのインフラへの投資よりもはるかに経済をけん引する力があるといいます。…

高等教育への投資が国力の源泉に(1)

ランキング参加中高等教育 少し大きなテーマで、私の手には負えないのですが、日本の高等教育のあり方について指摘しておきたいと思います。自分自身が大学院の博士課程まで修了して感じたことで、私一人の力ではどうにもならないことです。よって、できるだ…

平凡な社会人が文系の博士号を取得する

ランキング参加中高等教育 54歳にして、神戸大学から博士(法学)の学位を授与されました。私のバックグラウンドですが、金融業での実務経験が長い普通のビジネスマンになります。大学卒業は1991年で、バブル崩壊の直前というタイミングです。就職するのには…

博士号をお金で買うのはどっち

ランキング参加中高等教育 理系の世界では、論文博士のことを「お金で学位を買う」といことがいわれることあるようです。企業の研究職の方が、産学協同の過程で、提携先の大学の論文博士制度を使うからでしょう。たしかに、数十万円の審査料は支払うので、お…

個人の幸福より社会の効率を求める教育システム

ランキング参加中高等教育 パンデミック社会がなかなか終わらない日本です。マスクは社会の風景を大きく変えるし、視覚的にも異様な世界をつくり出すので、いつまでもパンデミックが継続するような錯覚をもたらします。ヨーロッパの各国は、とっくに次のステ…

子どもの教育費を使い博士号

ランキング参加中高等教育 2023年3月7日、神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程修了者が発表されました。自分の学籍番号も掲載されていましたが、私は3月16日まで気がつきませんでした。翌週には学位記授与式が開催されるので、大学院の事務に問い合わ…

「マスク」は自分を試す小道具か

マスクが個人の判断ということになりましたが、多くの人がマスクをしたままのようです。私は、今までほとんど実効性などないと思いながら、電車や建物内ではマスクをしてきたので、一切マスクをやめさせていただきました。長い間我慢してきたものです。 今の…

ネガティブな印象のある「公僕」という言葉

「公僕」という言葉の意味は、公務員のことで、広く公衆、公共に奉仕する者のことです。下僕の「僕」という漢字が含まれているので、公務員を見下した意味合いを含んだ言葉のように思う人もいるようですが、そのような意味はありません。しかし、一部の公務…

大学の序列付けにみる東京の貧しさ

ランキング参加中高等教育 受験シーズンですが、自分の子どもが大学受験なので、書籍やネットでいろいろ調べる機会がありました。そこででてくるキーワードに「早慶上智」、「MARCH」、「日東駒専」、「大東亜帝国」、「Fラン」などがあります。いずれも東京…

近い将来大学は崩壊し再生する

ランキング参加中高等教育 「選択と集中」、「競争的研究費」、「ガバナンス改革」、「グローバル教育」、「国際的卓越大学」など、まるでビジネスにおける経営戦略でも語るかのように、大学のあり方についても言葉が躍っています。ところが、このようなビジ…

縄文人が戦争をしなかったのは狩猟生活のおかげ

糖質制限からみた生命の科学について論じられた、夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書、2013年)を読んでいて、縄文人が争いをしない人類であったということについて仮説が浮かびました。本書の本題は、雑食である人類は、穀物を食べるようにはで…

10兆円ファンドの認定大学から「学問の自由」が消える

ランキング参加中高等教育 10兆円規模の大学ファンドを創設し、運用益を大学支援に充てるという、国際卓越研究大学制度といものがあります。文部科学省が発表した基本方針によると、2024年度から認定大学に対して利益が分配されることになります。この制度に…

文系・理系の発想をやめ仕事を「おもしろい」に変える

日本では高校生のときに、文系と理系という分け方で進路を決めます。大学の受験科目がそのような分類になっているので仕方がないのかもしれません。しかし、人生のその後の可能性を考えた場合、そんなに簡単に決めてもいいものでしょうか。大学に入学してか…

文系と理系で人生を選択しない

大学受験のシーズンですが、日本では高校生の段階から文系と理系に分けて大学受験に挑みます。私の場合も高校3年生のときに、それまでの国立理系から私立文系という脈略がない選択をしました。それだけ深い考えなどなかったのでしょう。最初に理系を選んだの…

DXのおかげで働かなくてもいい時代の到来

デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)に対応するためにリスキリングが必要という話を前回しました。DXは私たちにとって脅威なのか、それとも福音なのでしょうか。「AIに仕事が奪われる」とか、「10年後になくなる仕事」などの見出しで多くの言…

「リスキリング」で得をするのは誰か

リスキリング(reskilling)という言葉が注目されるようになりました。和訳するなら技能再教育という意味ですが、リカレント(recurrent)教育と何が違うのでしょう。リカレントは回帰教育などと訳され、社会人の継続的な学び直しの文脈で使われることが多い…

人工知能時代の大学教育の役割

ランキング参加中高等教育 学びながら働き、自己実現と社会貢献をと提言するのは、社会人教授の宮武久佳氏です。著書『「社会人教授」の大学論』(青土社、2020年)の終章に掲げられた六つの提言の一つに、大学は「在学期間10年を標準に」というのがあります…