以前から大学に即戦力になる人材育成を求める意見が多いようです。わたしは反対の立場です。本当に即戦力になる人材を求めて発言しているのであれば、社会で活躍できる「即戦力」のレベル感に大きな勘違いがあると思われます。
大学で即戦力と言われても、そもそも企業で働いた経験がない大学教員が、学生に即戦力になる技能など教えられません。
また、実務家教員を増やせといっても、個人的な経験に基ずく武勇伝を話して終わりで、普遍的で汎用性のある技能など簡単に身につくものでもないと思います。
即戦力と言えるレベルの技能が身につくのは、やはり現場に出て必死で3年間働き、多くの痛い目に合って初めてそのレベルに達することができるのです。
大学で即戦力となる人材育成をしたところで、せいぜい企業の言いなりになる奴隷を製造するようなもので、やはり大学では一般教養も含めて、お金にならない学問をやっておくべきでしょう。
人生で唯一そのような贅沢ができる時期が大学時代です。大いに無駄なことを学び、人生の後半戦にこそ生きてくる一般教養を身につけておくことのほうが、はるかに大切だと、最近の有識者の軽いコメントを聞いて思いました。