スペシャリストのすすめ

自分だけの生態学的ニッチで生きる

二極化する情報で目覚める人が増える

世界が分断しているようにみえる。二極化が著しいともいえる。「A対B」あるいは「X vs. Y」という論調が非常に目につく。このまま世界は分断していくのであろうか。一見、そのようにもみえるが、実は多くの人が気がつき目覚めだしている証拠なのかもしれない。真実に目覚める、真実らしきものに近づいている人が多いという仮説。そして、それを止めるために別の力が働き、その動きがあからさまになるので、ますます目覚める人が増える。だから、二極化しているようにみえる。

しかし、世界は順調に良い方向に向かっていると可能性はある。まず、二項対立を促す情報が非常に増えているというのは、情報の発信元にしてみると焦りの現れと考えられる。よって、私たちはその情報を鵜呑みにせずに、踏みとどまる習慣を身につけたほがよい。自分の中にある違和感やちょっとした不快感は大切にする。そこから多面的に情報分析し、できるだけ真実に近寄っていく。

たとえば、米国最高裁判決 Association for Molecular Pathology v. Myriad Genetics, Inc., 569 U.S. 576 (2013) を引用して「米国の法律によれば、ワクチン接種を受けている世界中の人々は製品であり、特許を取得した製品であり、もはや人間ではないとの判決を下しました。」という日本語の情報に接した。直感的にそんなはずはない。何かの間違いであろうと思って調べると、キリスト教原理主義のようなブログや、その他のウェブサイトで判決文の英文サマリーをみつけることができた。

その中には、すでにアクセス不能になっているものある。そして、一例としてのブログは次のとおりであり、"If You Have Been Vaxed You Are Now Owned and Have No More Access to Human Rights" (July 12, 2021) とタイトルが付けられている。
Discerning The End Times: If You Have Been Vaxed You Are Now Owned and Have No More Access to Human Rights

そこで、実際の判決文を読んでみると、人間が特許製品であることやワクチン接種に関連する議論はみられない。概要は、ゲノム研究会社のMyriad Geneticss社が所有する遺伝子で特許を取得しようとするものの、分子病理学協会というNPOが、科学の進歩や医療活動が妨げられるということで、特許の無効を主張したという事案である。そして、裁判所は、特許法が要求する基準を満たしておらず、遺伝子で特許を取得することはできないと判示している。

12-398 Association for Molecular Pathology v. Myriad Genetics, Inc. (06/13/2013) (supremecourt.gov)

この判決がなぜ、ワクチン接種した人は製品であり、もはや人間ではないという議論になったのかはわからない。日本語で発信されている情報にも、ワクチン接種した人には世界で人権が認められないという。だからワクチンは恐ろしいということになる。このような情報が流されれば、世界の対立は深まるのは当然である。

私は、この情報が真実から遠いと思いたいが、もっと重要なことは、情報の発信元は同じで、世界を分断したい人たちなのではないかということである。残念ながらその点に関する証拠はない。しかし、このようなあからさまな二極性に満ちた情報は、これからしつこいほど出てくるかもしれない。そのとき、一呼吸置いて、地道に調べる姿勢は大切だと思う。今の日本をみてもあまりにもしつこい情報や施策に対して、さすがにおかしいと目覚めてきた人は増えた。私には確証がないが、真実に気がついて欲しくない何かが必死になっているのかもしれないと疑いたくなる。