職人的生き方の時代

自分だけの生態学的ニッチで生きる

新しい地球での働き方

これからの時代、仕事について重要なことは「情熱」だそうです。今まではストレスが常に伴うのが労働だったかもしれません。しかし、これからは情熱が原動力となる働き方になるということのようです。エックハルト・トール『ニュー・アース』(サンマーク出版、2008年)の最後の部分で情熱について説明されており、納得してしまいました。

情熱に駆り立てられた創造的な活動のさなかでは、何をしてもとてつもない緊張感とエネルギーが伴います。私たちは自分を標的に向かって飛ぶ矢のように感じ、その行程を楽しみます。

他人にはその姿にストレスの重圧があるように見えるかもしれませんが、情熱の緊張感はストレスとは関係ありません。ストレスと違って情熱はエネルギーの振動数が高いので、宇宙の創造力と共鳴します。

情熱が燃えているときには、自分だけで行動しているのではないと感じます。それどころか自分だけでできることには何の意味もないこを知ります。情熱は創造的なエネルギーの波を呼び起こすので、私たちはただ「波に乗って」いけばいいとなります。

そして、目標はダイナミックでなければなりません。活動を、それを通じて他の人々や全体と結びつく活動を目標とします。たとえば、自分の作品を通じて無数の人々にインスピレーションを与え、人々の人生を豊かにすると考えるべきだそうです。

特に腑に落ちた点は、エゴイスティックな欲望と異なり、情熱には対立はないということです。情熱による活動には勝者も敗者もなく、基本的に排他的ではなく、他者をも包み込むものです。人々を利用したり操作したりする必要がありません。

一方、エゴの欲望は、常に何かを奪い取る、あるいは誰かから奪おうとします。しかし、情熱は惜しみなく与えます。そして、情熱が逆境や人々の非協力などの形をとって障害にぶつかっても、決して攻撃せずに迂回するか、相手を取り込んだり譲歩したりして対抗勢力を味方に、敵を友人に変えることになります。

このように、今までの常識で考えれば「できるわけがない!」と思える偉大な目標も、情熱を伴う働き方であれば、波乗りのようにうまくいくのかもしれません。新しい地球における働き方は、がんばって働かなければならないのではなく、見えないエネルギーを味方につけた情熱を伴う働き方なのかもしれません。