スペシャリストのすすめ

自分だけの生態学的ニッチで生きる

支配者の限りない欲望が人々を目覚めさせる

まるで映画『スターウォーズ』の世界のような物語を読んだ。リサ・ロイヤル・ホルト『ギャラクティックファミリーと地球のめざめ』(ヴォイス、2013年)では、著者がチャネリングによって得られた情報を基にまとめたものだと思われる。宇宙の話には詳しくないが、そこに出てくる物語があまりにも現在の地球上で起きているパンデミックをトリガーとした支配と似ていることに驚いた。かなり神秘的な話であり、人によってはバカげているの一言で終わりかもしれない。

宇宙にはオリオンという文明があった。最初の時代に二極化がはじまり分離を経験する。そして、指導者たちは非常に支配的な帝国を作り、しかも、指導者層はその支配が人々のためになっていると信じている。

最初のうちは社会を上手く機能させるという名目でコントロールしていたが、支配する側のポイントとして、いくら人々を支配しても満足できず、ますます権力に飢えていき、さらに支配を強化していくことになる。そして、何世代にもわたって、人々は支配されていることに気づかず、多くの人々は政府に面倒をみてもらい、守られていると思っている。

やがて支配者たちは、さらに多くの権力を求め、人権までコントロールするようになり、人々の考え方や宗教、自己表現まで支配しようとした。これまで地球上にあったどんな支配的な政権よりも強圧的な政権を想像してもらいたい。そして、コントロールする側の人間は、決して満足することがないので、その支配が際限なく強化されていく。

そして、これはどの文明についてもいえるといことのようであるが、支配者側はある時点で集合意識をコントロールできなくなるときがくる。それはまるで、天秤の片方に石をどんどん積んでいくと、ある時点で重くなりすぎて、天秤自体がテーブルから落ちるかのように。あまりにもアンバランスな環境だと、宇宙はそれを存続できなくなる。

抑圧されていた人は目覚めはじめ、それが臨界点に達する。そして、人々はついに「自分たちは抑圧されている」ということに気づくことになる。どうして、それまで気づかなかったのかと思う人もいるかもしれないが、慣れ親しんだ環境に住んでいると、そのような重大なことに無頓着になり、目の前のこともみえなくなる。

この物語がファンタジーのようにも聞こえるし、フィクションのようにも思える。しかし、今の私たちの現実をみると、ノンフィクションのようにも感じられる。そして、映画『スターウォーズ』では、圧政的な帝国と、それに抵抗するジェダイの騎士という勢力が登場し、「フォース」という霊的なエネルギーを使う人たちがいる。そして、帝国側も同じエネルギーを自分たちの利益のために使っていたのである。しかし、宇宙のエネルギーをネガティブな目的のために使っていては、永遠には続かないという。

もう一つのフィクションと思われる物語は『デューン 砂の惑星』である。これも圧政的な帝国と、それに対抗する地下組織が登場する。これらの物語は、オリオンの記憶と直接関係しているという。こうした作家や映画監督たちは、無意識のうちに本や映画を通して銀河の記憶を浮上させ、それを活性化する手助けをしているとのこと。

私には、今述べたことが100%フィクションであるようには思えない。二極化が極まり、どちらも嫌というほど体験した人たちは、ある時点で目覚めるのだと思う。そして、自分たちの持っているフォース、すなわち見えない力を目覚めさせて、次の時代を創造していくのではないだろうか。しかし、このフォースは暴力ではない。もっと何か見えない力。集合意識だろうか。

今はちょうど目覚める人が幾何級数的に増えている時期ではないか。こんなときに、このような神秘的な書籍に出会えたことも意味があるのかもしれない。これらが荒唐無稽な話であるのかどうかは、あと10年もするとみえてくるのではないか。バカげた話だと思うか、やはりそうだったのかと思うのか、楽しみにしていようと思う。 また、前述の二つの映画を観直せば、昔とは違い視点が開けるのかもしれない。