スペシャリストのすすめ

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コロナ死者数の付替えの可能性はデマか?

COVID-19の世界の死者数が作られた数字ではないのかということを、拙著の『一市民の「コロナ終息宣言」』(アメージング出版、2021年)でも紹介した。S・バクティ=K・ライス『コロナパンデミックは、本当か?』(日曜社、2020年)によると、重大な間違いは、PCR検査で陽性反応を示した人を全て新型コロナウイルスの犠牲者として公式に記録されてしまったということ。この記録の仕方は国際的なガイドラインに違反する方法であり、大きな誤りであると。

また、米ジョンズ・ホプキンス大学の応用経済学者 Genevieve Briand氏も”COVID-19 Deaths: A Look at U.S. Data” (2021)の論文で、米CDCの死亡者数は再分類(re-classification)されてコロナ死者数が他の病因から付替えられている可能性を示唆している(29-30頁)。
Publications - COVID-19 Deaths: A Look at U.S. Data FEB 2021 Working Paper | Heartland Institute

その前提となる議論で、2020年のアメリカの人口は、2019年と比較すると0.5%増で、約160万人増えている。超過死亡数は約53万人であるが、予想外でも憂慮すべきことでもない(14-16頁)。人口増からみれば当然である。人口のデータは、米国商務省の人口統計を使い、死亡者数は米CDCのデータである(13頁 Table 7)。両者で協働しない限り、数字の操作はできない。

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そして、COVID-19は高齢者が重症化し死亡しやすいということであるが、2020年2月1日から11月14日までの42週の死者数の年齢別割合を分析しても、85歳以上の割合が極端に増加している傾向はみられない(17頁 Graph 3)。

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さらに、死亡原因数の増減を比較していくと、心臓病、がん、慢性呼吸疾患などが減る傾向があり、コロナ以外の病因による死亡は減少している。コロナ死者数は心臓病による死者数を超えているわけであるが、その超過している数値(COVID - Heart Diseases)と他の原因による死亡者数の合計の減少数値(TOTAL DECREASE)がほぼ合致している(29頁 Table 11)。ここでBriand氏は、数字の付替えを疑うわけである。

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この論文をデマだということで一蹴することは権力者や権威のある人にとっては容易である。実際のBriand氏の論文の基になったセミナーの要約を、学生のYanni Gu氏がジョンズ・ポプキンス大学のニュースレターに掲載したものの、誤解を招くということでのちに削除されている。
A-closer-look-at-U.S.-deaths-due-to-COVID-19.pdf (behindtheblack.com)

日本でも「42万人死亡説」「10万人死亡説」「感染爆発」「大臣のワクチンデマについて」などのデマと思われる説だとしても、デマとはいわれない。一方で、まじめな発信をしている人たちの情報の真偽も確認せずにデマと切り捨てることができる権力者や権威者が圧倒的優位にあるのは間違いない。私たち庶民は、権力者や権威者が発信する情報に対して、疑ってかかったほうがよい。そうでなければ、ますます彼らのいいように操られてしまうだろう。おかしいと思う直感を大切にして、できるだけ真実に近づいていきたい。