スペシャリストのすすめ

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年収1500万円のエリートはただの人だった

年収1,500万円の大企業の部長だった人が、2年の転職活動の末、みつかった仕事が時給1,000円だったというリンクの記事に接しました。読者を惹きつけるために誇張されたストーリーかもしれませんが、このようなことは意外にあるのではないでしょうか。

給与ダウンは無理です! 年収1500万大企業部長、転職期間2年で時給1000円警備員に…地獄すぎる中高年転職市場に絶望(みんかぶマガジン) - Yahoo!ニュース

そもそも、大企業の部長の年収がそこまで高いのは、その人の能力が高いからその年収になるのではありません。むしろあるポストには、この年収ということで、おおむね決まってているわけです。だから日本の学生が大企業に入社したくなるのもわかります。入社した時点で「俺たち勝ち組だな!」などという迂闊な発言が出るのも、このような背景のおかげでしょう。

しかし、このシステムに乗るのは大きなリスクを伴います。そもそも自分の年収が自分の市場価格で決まっているわけではないからです。この点に気づいた優秀な学生は、最初から外資系金融機関や外資系コンサルでキャリアをスタートするといいます。しかし、これも危険です。彼らの年収も、結局は個人の能力の良し悪しで決まっているわけでもなく、外資系企業のブランドの上に乗ったプレミアムのおかげで良い年収が得られているからです。

このように考えると、日本の大企業でも外資系企業でもそうですが、年収を上げることを目的に転職活動などしても、いつかは行き詰まるということがわかります。50代の転職決定年収では400‐599万円が相場で、大企業でしか働いたことがない、45歳以上のエリートはどの企業も採用したがらないそうです。なぜなら、「口は出すが、手を動かさないこと」が理由です。的を射た表現ですが、大企業で45歳を過ぎると手が動かなくなります。手を動かす機会を会社が与えてくれないからです。

結局、いずれは自分で稼げるようにならないといけない。そのための実力もつけないといけないとなります。かつて、竹中平蔵氏は、日本のサラリーマンについて、みんな「結局、個人事業主になるしかないのが日本の現状だ」といいました。竹中氏の考えについては賛否両論あるでしょうが、彼が到達したポジションから見える風景にもとづけば、そのような結論になるのでしょう。

私見は、個人のリスク回避と格差是正の観点からも、竹中氏の意見に賛成です。どんな大企業に勤めていても、自分は個人事業主だという意識で、サービスを提供する姿勢は、その人の能力を高めます。また、格差社会を是正するためには、どの企業に勤めているからではなく、その人個人の能力で評価されたほうが望ましいと考えるからです。

結局、同じ尺度で測った人の能力の差などそれほどないと思います。むしろ、人それぞれの能力の違いに注目していけば、年収に大きな差も出ず、格差社会は是正されていくと思います。

日本の大企業や外資系企業のエリート社員や役員も、会社を離れれば、ただの口うるさいジジイやババアであること。やっている仕事と年収がすべて明らかになれば、自分は世の中で非難の対象になるのではないかということ。この辺の意識をもって、日々精進していかねければ、前出の年収1,500万円だった元部長になってしまうのでしょう。口うるさくはありませんが、ただのジジイとしてそう思うようになりました。そして、当の竹中氏もすべてが見えるようになれば、批判にさらされることになるのでしょうね。すでに批判されていますが、、、