スペシャリストのすすめ

自分だけの生態学的ニッチで生きる

「恐怖」や「不安」を手放す大切さ

輪廻転生や生まれ変わりの科学を信じている人にとっては、このテーマを克服できたら、もうこの世に生まれ変わる必要がないというほどの重要なテーマかもしれない。それは「恐怖」や「不安」から自由になるということ。

自分の目の前で起きる現象に対して「怒り」を感じることはある。しかし、その現象の本質を理解したとき「怒り」が「許し」に変わることもある。怒りの対象あるいは対象となる人にもどうすることもできない力が働いていることもあるからであろう。仕方ないという感覚に至るケース。結局、100人いれば100通りの真実があるので、その考えにも行動にも良し悪しがなく、正解もないので仕方がないと思える段階がある。

一方で「怒り」が「許し」に変わっても、どうしても残るのが「恐怖」と「不安」ではないだろうか。これはなかなか振り切れない。振り切ろうとして成功したかと思うと、また自分の思考に戻ってくる。逃げれば逃げるほど追いかけてくるものである。よってここは、振り切ることも、逃げることもせず、幻想であると思えるまでみつめることも必要なのかもしれない。

それにしても、実際には存在していないのに、あたかも自分の目の前に存在しているように思い、自分の思考や行動を抑制してしまうこの「恐怖」と「不安」はやっかいだ。ここから逃れるために、焦って自分の外に答えを求めて情報を集めれば集めるほど、まだ存在していない恐れが大きくなる。だから、情報収集をやめるということも必要なのかもしれない。

そして、外から情報をとることやめたあと、何をすべきか。まず自分の内面に深く入っていくことが推奨される。深く深く入り、もう行き止まりというところまで進んでみる。瞑想の時間を増やす、あるいは、トイレ掃除や風呂掃除も含めて部屋の掃除をするのも効果的かもしれない。あとは緑の中を散歩する。焦るときこそ実践してみると意外に効果がある。

また、共時性シンクロニシティ)も大切にしたい。自分の内面をみつめていると、共時性は起きやすくなる。私にはひらめきの体験とか、直感とか、インスピレーションという体験にあまり縁がない。それでも、無意識のレベルで何かメッセージを受け取っていることはあると思う。日々の意思決定や行動が顕在意識だけで決められているとは思えない。何か潜在意識の積み重ねで判断したり、行動をしたりしていることもあるであろう。

残念ながら世の中には「恐怖」や「不安」をビジネスとしている、あるいは、他人の恐れをエネルギーとしている生きている人たちもいるようである。しかし「恐怖」や「不安」を感じなくなった人たちは無敵である。自分は「自由」であることを自覚できるので、どんな行動も躊躇なくできるようになる。正直、自分が実践できているとは言い難いが、徐々に自分の内面をみつめることに重きを置いて「自由」を手に入れたいと思う。もし、人々から「恐怖」や「不安」を少しでも取り除くコンサルティングがあるのであれば、これからの時代に上手くいくビジネスの一つになるのではないだろうか。