独立系メディアのIWBに掲載されている、山肌全面に敷設された太陽光発電パネルの動画を視ると本当に悲しくなります。地球環境を守るといいながら、明らかに地球環境を破壊しているからです。温暖化商人には良心の呵責というものはないのだろうか、とも思いますが、やはりお金の力には抗しきれいないのでしょう。
太陽光発電は他のエネルギー源の300〜600倍の土地を必要とし、300倍の有害廃棄物を出し、重要な野生生物の生息地を荒廃させるため、現在世界中の何百もの地域が反対していると指摘します。そして、太陽光パネルやバッテリーは、貧しいアフリカの国に廃棄されているといいます。これではどこが地球にやさしいのかわかりません。
渡辺正『「地球温暖化」狂騒曲』(丸善、2018年)でも同じこを指摘しています。渡辺氏は環境科学の研究者です。太陽光発電はパネルを敷き、風車を建て、送電線を引くときは、森林や草原を更地にしなければなりません。そして、植生を減らせば地面の保水力は落ち、大雨のときには土砂崩れや洪水の被害が増えます。
風力発電ですと、風車が住宅地に近ければ低周波ノイズが住民の安眠を妨げます。ま た、風車の羽にぶつかって死ぬ鳥やコウモリも多く、アメリカの野生生物協会が発表したデータによれば、2012年の1年間に風車が殺した総数は、鳥が約57万羽で、コウモリが約88万羽だそうです。
そんな太陽光発電や風力発電が環境にやさしいはずがありません。小学生でもわかりそうな結論ですが、大人はそうではありません。温暖化商人というのは、地球環境よりも大切なお金があるからでしょう。
科学的に分析しても、東京都が使う電力を全部太陽光発電でまかなおうとすると、太陽光パネルや蓄電設備などのスペースを考えると、東京23区すべてを発電施設にしなければならないそうです。また、イギリスが2040年までにガソリン車とディーゼル車を全廃すると宣言しているそうですが、全部が電気自動車になったとして、その電気を風車だけでまかなうとすると、風車と付属の蓄電設備などが必要になり、ポルトガル全土に近い面積が必要になるそうです。
再生可能エネルギーには、実は「百害あって一利なし」という側面があるかもしれないことをじっくり考えてみたほうがよさそうです。温暖化商人に騙されて、彼らに協力するような愚だけは避けたいと思いました。