職人的生き方の時代

自分だけの生態学的ニッチで生きる

地球温暖化説に利用された「ホッケースティック曲線」

以前、地球温暖化説はある一定の結論に誘導する目的があるのではないかということを書きました。本当は人類の活動が気候変動に大きな影響を与えていないにもかかわらず、あたかも人間活動のために地球温暖化が進行中であるという印象を人々に植え付けている人々がいるということを。

地球温暖化説に煽られず踏みとどまる - スペシャリストのすすめ (specialistbiz.jp)

地球温暖化説の根拠となっているのは、

気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、以下「IPCC」)の報告書になります。IPCCは、まず二酸化炭素濃度が増えはじめた150年前からの気温変化を再現できる気候モデルをスーパーコンピュータの中に構築し、それを使って今後の気候を予想しようとしています。これが、『地球はもう温暖化していない』(平凡社新書、2015年)を著した深井有博士によると、多くの誤りを含んでいるということです。単なる誤りだけならまだしも、むしろ結論を地球温暖化説に誘導する研究不正すら存在しているのではないかということを指摘します。

たとえば、深井氏の指摘によると、IPCCの第3次報告書でいわゆるホッケースティックといわれる気温上昇の理論は誤りを含んでいるといいます。スティックを横にして置くと、先に行くほどスティックの先は急激に上に向かいますが、気温上昇を象徴する呼び名として使われています。この気温上昇の根拠は、シベリアの樹木の年輪幅からアメリカの研究者がグラフを作成していますが、このグラフの中には中世温暖期も小氷河期もなく、1000年から1800年の間、平均気温はほとんど変化せず、突如、産業革命後の二酸化炭素濃度の増加に伴って気温が上昇したと説明されています。

このグラフを作成したアメリカの研究者は、当時学位をとって間もない若者で、この非常識なグラフは古気候学の専門家からは相手にされなかったそうです。しかし、これがIPCCの目に留まって、広く受け入れられるようになっています。しかしその後、アメリカの科学アカデミーは、このグラフの精査をしていますが、結果的にはグラフは誤りであることが判明しています。その後、その研究者は訂正版を出すものの、専門家には相手にされていないようです。

ホッケースティック曲線の論拠を失ったIPCCは、その後人為的活動が温暖化に寄与していることを示す理論作りに苦労しています。とにかく現実に生じている事象とICPPの報告の間には乖離が生じており、今は必至にその理論的裏付けを探しているところなのでしょう。

私たち一般人はそのような背景を知ることが難しい状況にありますので、著名人や政治家、研究者が、「私たち人間の活動が地球温暖化をもたらしている」ともっともらしく断言されると、それを信じてしまいます。最近注目されるイギリスのチャールズ3世国王もその一人でしょう。しかし、複数の情報源や入手できる文献を参照して、自分自身でその真偽を確かめることは大切だと思います。

自分自身について懸念することは、自分も誤った仮説に加担して、人類に大きな損害をもたらしている一人なのではないかということ。あるいは知らない間に地球温暖化理論を活用して金儲けをしている温暖化商人に利得の機会を与えているだけではないかということです。できる範囲で調べて裏付けをとる努力を怠ると、自分だけでなく多くの人が損失を被ることになります。地球にとっても人類にとってもいいことなどありません。温暖化対策や代替エネルギーのビジネスに、本当に効果的で世の中に貢献できているものがどれだけあるのかということも、まだ誰にもわからないのだと思います。

このテーマは奥が深そうです。また別の機会に考えを整理したいと思います。