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ワクチン懐疑派の論文は意外に多い(2)

私の故郷の札幌で、大手の病院が相次いでワクチン接種の中止を決定いたしました。札幌手稲渓仁会病院、札幌徳洲会病院、札幌禎心会病院などです。手稲渓仁会病院は、実家からも近く、地域では有名な病院なので、近隣に住んでいる人にはそれなりの影響があると思います。

そして、禎心会病院では、世界各国の接種後の効果や副反応の状況、また、基礎的な研究が出始めワクチンのマイナス面が議論されている状況を踏まえて、接種の中止を決定したといいます。中止の経緯の説明書には、ワクチンそのものに欠陥があり、効果がなく、自己免疫疾患の増加の懸念も指摘されています。病院側で冷静に分析した結果だと思いますので、無視できない指摘です。

さて、本題の Neil Z. Miller, Miller's Review, Miller’s Review of Critical Vaccine Studies (2016)に掲載されている論文要約ですが、まず、医学雑誌と製薬業界の利益相反に関する論文をみてみます。

Smith R, Medical journals are an extension of the marketing arm of pharmaceutical companies, PLos Med 2(5): e138 (2005).

この論文は、医学雑誌と製薬業界が金銭的に利益相反的な関係にあり、科学の誠実さを損なう恐れがあることを示唆する証拠を検討したものです。まず、製薬会社が広告を医学雑誌に提供することで、医学雑誌は多額の収入を得ています。さらに、製薬会社は自分たちの論文が掲載された場合、数千ドル分の抜刷を購入することがよくあります。このことは、雑誌の編集者や出版社にとって強い利益相反を生む行為です。また、主要雑誌に掲載された臨床試験結果の約70%は製薬会社から資金提供を受けています。製薬業界から資金提供を受けている研究は、他の資金源から資金提供を受けている研究に比べて、4倍業界にとって有利な研究結果を見出すことができます。

想定はできることですが、学術雑誌といえども、莫大な資金力にものを言わせることで、中立性や公平性、客観性というものを破壊することが可能ということでしょう。

次にワクチンの防腐剤の役割を果たすチメロサール有機水銀化合物)が含まれるワクチンに関する論文です。

Geier DA, Hooker BS, et al., A two-phase study evaluating the relationship between thimerosal-containing vaccine administration and the risk for an autism spectrum disorder diagnosis in the United States, Transl Neurodegener 2(1) 25 (2013).

本研究は、小児用ワクチンに含まれる水銀の毒性効果を評価するために計画されました。第1段階では、三種混合ワクチン接種後の自閉症スペクトラム障害の報告について、ワクチンイベント報告システム(VAERS)データベースを解析しています。その結果、水銀を含むワクチンを接種した乳幼児は、自閉症スペクトラム障害と診断される確率が有意に2倍高くなりました。第2段階では、ワクチン安全性データリンク(VSD)データベースを解析し、自閉症スペクトラム障害の診断を受けた子どもと受けていない子どもを識別し、B型肝炎ワクチンによる乳児の水銀曝露量を比較しました。 生後6ヶ月以内にチメロサールを含むB型肝炎ワクチンから37.5mcgの水銀を摂取した乳児は、水銀を含まないB型肝炎ワクチンを摂取した乳児と比較して、その後自閉症スペクトラム障害と診断される確率が3倍高いことがわかりました。

私も子どもの頃、チメロサールを含むワクチンを接種していると思いますが、自閉症にはなりませんでした。運が良かっただけでしょうか。それにしても研究結果でチメロサール自閉症の相関が統計的に有意であることがわかっているのであれば、製薬業界として手を打つべきなように思いますが、チメロサールの利便性が手放せないのでしょう。

Gallagher C, Goodman M, Hepatitis B triple series vaccine and development mental disability in US children aged 1-9 years, Toxicol Environ Chem 90(5) 997-1008 (2008)

本研究では、1~9歳児の発達障害と、新たに推奨された水銀を含むB型肝炎ワクチン3回接種の幼児との関連性を調査しています。 1991年、CDCは米国のすべての乳児に、水銀を使用した新しいB型肝炎ワクチンを3回接種することを推奨し、1回目は出生時から接種するようにしました。その結果、1991年から1999年にかけて、自閉症で特別な教育サービスを必要とする子供の数が500%増加したということです。また、水銀入りのB型肝炎ワクチンを接種した少年は、未接種の少年に比べて9倍も発達障害になる可能性が高いことがわかっています。

このようにみていくと、健康のためにと思って接種しているワクチンは、人によっては明らかに大切なものと引き換えになっているようです。たまたま症状が出なかったのでラッキーという次元の話ではなく、科学的データに基づくと、明らかに問題があるということなのですが。

このような論文を読んでも楽しいものではないでしょう。業界や学会の闇のような部分もありそうです。しかし、この分野で活躍されている方には、ぜひ多くの論文を確認していただき、気がついたことを情報発信していただくことを希望したいと思いました。私の場合、1本の論文を書くのに100本の論文は調べると思います。多いときで、そのうち半分はあまり参考にならなかったということもあります。ただ、数をこなすと、新しい視界が開けるし、次の論文のテーマで使えるというケースも出てきます。よって、まずは広くいろいろな論文に当たってみるというのも大切なのではないかと思います。そして、先行研究をいくつも調べていくと、現在のコロナワクチンについての混乱も、そこはかとなく納得できる部分が出てきます。ワクチンの問題は今にはじまったことではないようです。過去の歴史的な背景が間違いなくあり、今回、コロナで大きく顕在化したようです。

また、別の機会に他のテーマの論文は紹介したいと思います。