クラウドファンディングは、「持続可能なファイナンス」と思いましたが、もしかしたら、間違いであることに気がつきました。オーナーも支援者も、負担にならない範囲で実行してみるという意味では、持続可能だと思ったのです。しかし、ちょっと違うかもしれません。
理由は、仮に今回私がプロジェクトをやり切り、その後、また来年新しいプロジェクトをはじめて、同じ方に支援をお願いできるでしょうか。私にはできません。そうです。クラウドファンディングは、人生の「ここぞ」という時の勝負に使うべきだったのです。今さら気がつきました。
そして、ここからが重要です。では持続可能にするにはどうすればいいのでしょうか。一人ではダメだということです。仮に今回の支援者の誰かが、クラウドファンディングをはじめたら、金額の多寡は別にして、私は速攻で支援すると思います。そして、また別の支援者がプロジェクトをはじめたら、また支援するでしょう。まるで保険の原点の共済に似ています。
そして、このコミュニティの中で、支援者が次々と資金調達をして、プロジェクトも成功していくとします。そうすると、そのコミュニティの中で、いろいろ融通し合って、またコミュニティ全体が発展していくわけです。クラウドファンディングは、このような方法で既存の資本主義の枠組みとは違う利活用ができるのかもしれません。
今までの資本主義は、みんなが「一人勝ち」を狙っています。競争が善であり、常に自分が競争優位を築くためにはどうすべきか、頭を悩ませます。でもクラウドファンディングの共済的な活用法であれば、コミュニティ全体の発展がなければ、自分の豊かさもないわけです。だから必然的に仲間を支援したくなります。他人を出し抜こうなどということもないので、疲弊もしません。
そういう意味で、今回支援してくださったどなたかが次のクラウドファンディングをはじめていただきたいと感じました。そして、みんながどんどん豊かになっていきます。コミュニティ経済というのは、地域に根差した経済を意味するので、これは、既存の資本主義にNOをいう、「仮想コミュニティ経済」なのかもしれません。