スペシャリストのすすめ

自分だけの生態学的ニッチで生きる

地球温暖化は本当に脅威なのか

気候変動は起きているのか、地球温暖化は脅威なのか、答えをみつけるのは非常に難しい。フランスの新幹線TGVに乗っていると風力発電の風車がよく見える。積極的に代替エネルギーに取り組んでいることがよくわかる。

一方、鳥が風車に激突する事故も増加しており、本当に環境に優しいのかわからなくなる。洋上風力も同じで、浅い海には魚が豊富で、それを餌にする鳥もいる。よって、豊かな生態系への影響も懸念される。ましてや太陽光発電は、大きなパネルの下が日陰になり、多くの微生物や植物、動物に影響を与えることであろう。

気候変動による環境破壊が起きているというマスメディアの報道は毎日のように目にするが、それが事実なのだろうか。杉山大志『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版社、2021年)によると、統計データを確認するだけでマスメディアの報道が誤りであることがわかるという。

たとえば、台風は増えてもいなければ強くもなっていないと。台風の発生数は年間25個程度で一定しており、「強い」以上に分類される台風の発生数も15個程度と横ばいで増加していない。猛暑も都市熱や自然変動によるもので温暖化のせいではない。地球温暖化によって気温が上昇したといっても江戸時代と比べて0.8度に過ぎない。過去30年間当たりならば0.2度とわずかで感じることすらできない。豪雨の観測データも増えているわけではない。

このように、データを確認すると地球温暖化による脅威論というのは幻想であることがわかる。たしかに、自然災害による損害保険会社の保険金支払が増加しているという傾向はある。しかし、それは海岸沿いに高額な資産が増えていたという影響もあり、自然災害が増えたからということではない。我々はマスメディアの流す情報の印象で、勝手に脅威論を信じているだけかもしれない。

このように過去データをもとに考えれば、もっと冷静になれるにもかかわらず、NHKでは「すでに温暖化の悪影響が起きている、地球が壊れている、今すぐ行動しないといけない!」と煽る。NHKだけではない。世界のメディアが大騒ぎである。

これはある結論に人々を誘導するための情報操作になっていないだろうか。昔と異なりメディアの要諦は「映像」である。何よりも「映像」で決まる。しかも、その「映像」が真実であるかどうか多くの人は検証しないし、後日検証するということもない。新聞や雑誌であれば、紙に文字として残るので検証しやすいが、テレビの「映像」は流れてしまい、私たちの脳に焼き付くだけなので、丁寧に再考するのが困難なのかもしれない。私たちはマスメディアの情報、とくに「映像」を鵜呑みにせずに、丁寧に事実を調べる姿勢が必要なのかもしれない。