スペシャリストのすすめ

自分だけの生態学的ニッチで生きる

高等教育への投資が国力の源泉に(1)

ランキング参加中高等教育 少し大きなテーマで、私の手には負えないのですが、日本の高等教育のあり方について指摘しておきたいと思います。自分自身が大学院の博士課程まで修了して感じたことで、私一人の力ではどうにもならないことです。よって、できるだ…

平凡な社会人が文系の博士号を取得する

ランキング参加中高等教育 54歳にして、神戸大学から博士(法学)の学位を授与されました。私のバックグラウンドですが、金融業での実務経験が長い普通のビジネスマンになります。大学卒業は1991年で、バブル崩壊の直前というタイミングです。就職するのには…

博士号をお金で買うのはどっち

ランキング参加中高等教育 理系の世界では、論文博士のことを「お金で学位を買う」といことがいわれることあるようです。企業の研究職の方が、産学協同の過程で、提携先の大学の論文博士制度を使うからでしょう。たしかに、数十万円の審査料は支払うので、お…

個人の幸福より社会の効率を求める教育システム

ランキング参加中高等教育 パンデミック社会がなかなか終わらない日本です。マスクは社会の風景を大きく変えるし、視覚的にも異様な世界をつくり出すので、いつまでもパンデミックが継続するような錯覚をもたらします。ヨーロッパの各国は、とっくに次のステ…

子どもの教育費を使い博士号

ランキング参加中高等教育 2023年3月7日、神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程修了者が発表されました。自分の学籍番号も掲載されていましたが、私は3月16日まで気がつきませんでした。翌週には学位記授与式が開催されるので、大学院の事務に問い合わ…

「マスク」は自分を試す小道具か

マスクが個人の判断ということになりましたが、多くの人がマスクをしたままのようです。私は、今までほとんど実効性などないと思いながら、電車や建物内ではマスクをしてきたので、一切マスクをやめさせていただきました。長い間我慢してきたものです。 今の…

ネガティブな印象のある「公僕」という言葉

「公僕」という言葉の意味は、公務員のことで、広く公衆、公共に奉仕する者のことです。下僕の「僕」という漢字が含まれているので、公務員を見下した意味合いを含んだ言葉のように思う人もいるようですが、そのような意味はありません。しかし、一部の公務…

大学の序列付けにみる東京の貧しさ

ランキング参加中高等教育 受験シーズンですが、自分の子どもが大学受験なので、書籍やネットでいろいろ調べる機会がありました。そこででてくるキーワードに「早慶上智」、「MARCH」、「日東駒専」、「大東亜帝国」、「Fラン」などがあります。いずれも東京…

近い将来大学は崩壊し再生する

ランキング参加中高等教育 「選択と集中」、「競争的研究費」、「ガバナンス改革」、「グローバル教育」、「国際的卓越大学」など、まるでビジネスにおける経営戦略でも語るかのように、大学のあり方についても言葉が躍っています。ところが、このようなビジ…

縄文人が戦争をしなかったのは狩猟生活のおかげ

糖質制限からみた生命の科学について論じられた、夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書、2013年)を読んでいて、縄文人が争いをしない人類であったということについて仮説が浮かびました。本書の本題は、雑食である人類は、穀物を食べるようにはで…

10兆円ファンドの認定大学から「学問の自由」が消える

ランキング参加中高等教育 10兆円規模の大学ファンドを創設し、運用益を大学支援に充てるという、国際卓越研究大学制度といものがあります。文部科学省が発表した基本方針によると、2024年度から認定大学に対して利益が分配されることになります。この制度に…

文系・理系の発想をやめ仕事を「おもしろい」に変える

日本では高校生のときに、文系と理系という分け方で進路を決めます。大学の受験科目がそのような分類になっているので仕方がないのかもしれません。しかし、人生のその後の可能性を考えた場合、そんなに簡単に決めてもいいものでしょうか。大学に入学してか…

文系と理系で人生を選択しない

大学受験のシーズンですが、日本では高校生の段階から文系と理系に分けて大学受験に挑みます。私の場合も高校3年生のときに、それまでの国立理系から私立文系という脈略がない選択をしました。それだけ深い考えなどなかったのでしょう。最初に理系を選んだの…

DXのおかげで働かなくてもいい時代の到来

デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)に対応するためにリスキリングが必要という話を前回しました。DXは私たちにとって脅威なのか、それとも福音なのでしょうか。「AIに仕事が奪われる」とか、「10年後になくなる仕事」などの見出しで多くの言…

「リスキリング」で得をするのは誰か

リスキリング(reskilling)という言葉が注目されるようになりました。和訳するなら技能再教育という意味ですが、リカレント(recurrent)教育と何が違うのでしょう。リカレントは回帰教育などと訳され、社会人の継続的な学び直しの文脈で使われることが多い…

人工知能時代の大学教育の役割

ランキング参加中高等教育 学びながら働き、自己実現と社会貢献をと提言するのは、社会人教授の宮武久佳氏です。著書『「社会人教授」の大学論』(青土社、2020年)の終章に掲げられた六つの提言の一つに、大学は「在学期間10年を標準に」というのがあります…

縄文時代の食生活は「糖質制限」

縄文人の食生活を考えてみると、糖質というものを摂る機会はほとんどなかったといえます。当時を考えると、現代のように「主食」として穀物を多く摂る食生活のほうがむしろめずらしいといえます。 この日本食における「主食」という言葉が厄介ですが、フラン…

「自由」を獲得するための大学生活

そろそろ大学受験シーズンが到来します。今まで一生懸命に勉強してきた成果を出す場面です。それが終われば、人生で最も自由度が高い学生生活が待っています。この「自由度が高い」というのが大学におけるカギとなる要素だと思いますが、「自律」が要求され…

大手メディアを避けて世界観をつくる

自分の世界観やものの考え方というものは、どのようにつくられていくのでしょうか。かなりの部分を大手メディアに依存している人もいるかもしれません。大手新聞、地上波テレビ、近年ではインターネットのYahoo! ニュースなども含まれるでしょう。しかし、こ…

社会を分断する日本の高等教育制度

最近、長男が大学受験をするということで、いろいろな角度から大学を調べる機会がありました。やはり驚くことは学費です。情報系学部を志望する長男の場合は、文理融合学部ということで、文系学部よりも学費が高く、理系学部よりも学費が低いという中間に位…

病気になる原因は「肉食」という幻想

アラスカやグリーンランドに暮らすイヌイットという人々の食生活は、私たちとはかなり違います。極寒の地で生活しているのですから、お米も小麦も育ちません。穀物を栽培して収穫し食すということがない点、彼らはどのような食生活を送っているのかは興味深…

「本の出版」は能力以上に財力か

博士論文もほぼ完成したので、来年に向けて書籍化をしようといくつか出版社をあたりました。学術書になるとはいえ、自分の専門分野で、最も自信がある内容なので、どこかの出版社が自己負担なしで出版してくれると思っていました。しかし合計26社に問い合わ…

地球環境にやさしいと言いながら環境破壊

独立系メディアのIWBに掲載されている、山肌全面に敷設された太陽光発電パネルの動画を視ると本当に悲しくなります。地球環境を守るといいながら、明らかに地球環境を破壊しているからです。温暖化商人には良心の呵責というものはないのだろうか、とも思いま…

小学生の理科と算数で地球温暖化を検証

わが国の温暖化対策では、毎年膨大な費用が計上されています。もとをたどれば、それは私たちの税金なわけです。使い道として温暖化対策に巨額の資金を投入することが正しいのか大いに疑問です。渡辺正『「地球温暖化」狂騒曲』(丸善、2018年)によると、201…

「糖質制限」説を封じ込める医学会

最近でこそ「糖質制限」という考え方が市民権を得てきているようにみえ、書籍もいくつか出版されています。しかし当初は、たとえば、妊娠糖尿病などの治療に糖質制限などと言おうものなら、医学会などでは大変な剣幕で怒鳴られたそうです。そのような経験を…

江戸は偶然にも持続可能社会だった

江戸という街は当時としては、とても持続可能な循環社会を実現していたそうです。ときどきそのような情報に接していたものの、あまり深く調べることもありませんでした。今回偶然、池田清彦『SDGsの大嘘』(宝島社新書、2022年)を読んで、江戸が当時として…

『ワクチンの境界』から学ぶ全体主義の正体

國部克彦教授から『ワクチンの境界』(アメージング出版、2022年)を恵贈いただきました。社会のシステム論的な考察も織り交ぜ、倫理的視点からパンデミックにおける今回のワクチン問題を論じています。おそらく、5年後あるいは10年後に読み返しても、私たち…

温暖化ムラに群がる科学者と「温暖化商人」

気候変動に関する政府間パネル(Intergovermental Panel on Climate Change、以下「IPCC」)や国連、先進国のリーダーたちは、必死に地球温暖化を材料にして、二酸化炭素削減を主張します。あまりにも科学的データとの乖離のある発言の裏には、何か儲け話が…

利益優先が主義つくり出す「しょう油もどき」

日本の食文化で世界に誇れる発酵食品がありますね。私も味噌としょう油は毎日のように口にしていると思います。そのしょう油について、市場経済を勝ち抜くためには、いろいろな工夫がなされていることを知りました。 安部司『食品の裏側』(東洋経済新報社、…

クライメートゲート事件から考える科学者像

気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、以下「IPCC」)は国連機関の一つで、その報告書は世界中の2,000名を超える専門家が協力して数年かけて厳密な検証を経て作成されます。だから誤りなどあるわけがないと誰もが思う…